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息子を愛している、ビールが欲しい:麻痺患者、神経インプラントを用いて「話し始める」

ドイツのテュービンゲン大学の研究チームは、神経インプラントを用いて完全に麻痺した筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者がコミュニケーションをとれるようにした。学術雑誌ネイチャー コミュニケーションズにその論文が掲載された。
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ALS を患っていた有名な物理学者、スティーヴン・ホーキング博士は、頬の筋肉を使ってボイスシンセサイザーに指令を出し、そのシンセサイザーを用いてコミュニケーションをとっていた。しかし、全ての筋肉が麻痺している場合、このような方法を用いることはできない。
新たな研究に36歳のALS患者の男性が参加した。男性はまだ目を動かすことができた2018年から研究チームと協力している。男性は妻や幼い息子とのコミュニケーションを維持するため、インプラントの入手を望んだ。
研究チームは、脳の電気的活動を測定して明らかにし、それを制御する方法を習得する学習形式ニューロフィードバック技術を試した。男性のケースでは音声信号が使用されたという。
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男性は初日、音声信号の高さをコントロールすることができた。そして間もなく、提案された文字の組み合わせや個々の文字に「はい」や「いいえ」と答えることを習得した。
男性は翌年、自分の息子のことを「愛している」やビールが欲しいなど、ボイスシンセサイザーを用いて数十の文章をつくれるようになったという。
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