この研究を行ったスウェーデンのカロリンスカ研究所のアルティン・アルシャミアン氏は、「我々は、世界中の人々がある一つの匂いをどのように感じ、同一の香りを好むのか、それともこういった事柄は文化的に決定されているのかを知りたかった」と語っている。
研究者らは、狩猟採集民から都市生活者まで9つのグループ(合計225人)の被験者に対し、様々な匂いの評価を行ってもらった。この被験者の中には欧米の製品にほとんど触れたことがない人もいた。
この研究の結果、香りを快く感じるかどうかは、その物質の分子構造のみによることが分かった。被験者は民族や国籍に関係なく、バニリン(バニラの香りの主要な成分)と果実のような香りがする酢酸エチルを最も心地よい香りと認識した。一方で、最も好まれなかった匂いは、チーズや人間の足の汗に含まれるイソ吉草酸だった。
研究者らは、においの知覚は物質の分子構造に41%、個人の好みに54%依存しており、民族的要素はあまり重要な役割を担っていないと結論づけている。
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