ブルームバーグの報道によると、ワシントンの国際金融研究所(IIF)は、ロシアは国内のあらゆる経済的困難や海外から加えられる財政へ圧迫にもかかわらず、2022年に2400億ドル(29兆5000億円)の経常黒字を記録すると予想している。ただしこの試算は条件付きで、ロシアのエネルギー販売に全面禁輸が実施された場合は、早ければ4月にもロシアは石油生産のほぼ4分の1を失う可能性があると指摘されている。
恒常的にロシア産エネルギーを購入してきた国の多くは、ウクライナにおけるロシアの特殊作戦を広範に非難する中でロシアとの新たな供給契約を結ばないことを希望し、他の選択肢を模索している。一方でインドなど他の主要なエネルギー輸入国には、大きな値引きが適用されている。ブルームバーグは、現段階でロシアからのエネルギーの全面的に禁輸に踏み切ったのは米英など一握りで、ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツは反対している事実を指摘している。
炭素燃料からの収入がロシア経済にとっては生命線となることを認めながらも、ブルームバーグはロシアが高いインフレと深刻な不況に陥ることを予測している。一方で大手コンサルティング会社TSロンバードは、インフレ抑制とドル建て原油価格の上昇が相まって、今年のロシア予算は8兆5千億ルーブル(12兆3千億円)のプラスになるという試算を出した。専門家らは、確かに、このような事態になれば、ロシア経済のエネルギー輸出への依存度はさらに高まるとの見方を示している。
ブルームバーグはこのことから、EU全体、英米がロシアへの完全なエネルギー禁輸を行えば、ロシアはエネルギー生産を20%以上削減し、約3000億ドル(36兆8000億円)を失わうため、ロシア経済に実害を与えることができると結論付けている。
スプートニクは先に、ロシア産石油の禁輸をめぐって欧州で分裂が生じていると報じた。
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