国際研究チームは、NASAと欧州宇宙機関の衛星に掲載された観測装置が得たデータから2005年から2018年までの記録を用いて、アフリカ、アジア、中東の46の大都市の大気環境を調査した。
調査の結果、すべての都市で、健康に直接危険を及ぼす汚染物質である二酸化窒素は14%、微小粒子状物質(PM2.5)は8%、アンモニアは12%、揮発性の有機化合物が11%と著しく増加していることが分かった。
これは、道路交通、廃棄物の焼却、木炭や燃料となる木材の大量使用によるものだけではなく、これらの都市で起きた新しい産業によって急激な大気環境が悪化したのも原因の1つになっている。また、この期間で二酸化窒素の排出量は46都市中40都市で、PM2.5の排出量は46都市中33都市で、それぞれ1.5倍から4倍に増加し、都市の大気汚染に影響を与えていることが判明した。
大気汚染にさらされて早死にした人の数は、南アジアの都市、特にバングラデシュのダッカで増加しており(2万4000人)、インドのムンバイ、バンガロール、コルカタ、ハイデラバード、チェンナイ、スラト、プネー、アフマダーバードで合計10万人が亡くなっていることが分かった。
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