アゾフスタリ製鉄所は壊滅的状況に置かれ、人道上の危機に達していることから、ロシア軍は依然として籠城を続ける国家親衛隊の兵士ら、及び外国人傭兵部隊に対し、モスクワ時間の4月17日午前6時以降、あらゆる戦闘行為を停止して降伏するよう呼びかけている。降伏した兵士には命を保証するとしている。
これに向けて現地では午前5時からウクライナ側と情報交換を行い、5時30分から停戦体制を発動する。これに際し、ロシア側が赤い旗、ウクライナ側が白い旗をあげて停戦に向けたプロセスを確認する。
そして現地時間の6時から13時(日本時間12時から19時)にかけてあらゆる武器と弾薬を放棄し、ロシア軍に投降するよう呼びかけている。ロシア軍はメディアを通じてこの声明を国連、欧州安全保障協力機構、国際赤十字委員会などの国際組織に通知したほか、アゾフスタリ製鉄所に籠城する兵士らに対してはあらゆる通信手段を通して30分おきに投降を呼び掛けている。
ロシア側が傍受したウクライナ兵の通信によると、ウクライナ側は水や食料、弾薬が尽きていることから、投降の許可を中央政府に要請しているものの、ゼレンスキー政権は徹底抗戦を命じているという。ロシア軍が傍受した通信は16日だけで367件に達する。
ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ報道官によると、ロシア軍による特殊軍事作戦開始以降、マリウポリではこれまで1464人のウクライナ兵が投降した。現在、アゾフスタリ製鉄所には依然として2500人近くの兵士が籠城を続けている。一方、3月11日の時点でマリウポリには8100人近くのウクライナ兵が展開していた。
マリウポリ市内の掃討作戦は完了しており、市内にウクライナ兵は1人も残っていない。
ロシア軍がマリウポリから退避させた市民は16日だけで945人に達し、その数は合計で13万9678人となった。
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