ルペン氏は現職のエマニュエル・マクロン大統領との討論会で、ロシア産の原油と天然ガスに対する禁輸措置に反発した。ルペン氏はウクライナへの人道支援、財政支援、自衛に必要な兵器の供与に加え、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)と銀行に対する制裁は支持しつつも、燃料の禁輸措置が「正しいとは思わない」と発言した。この措置がロシアに大きく影響することは無く、フランス人に損失をもたらすだけであると指摘した。ルペン氏によると、欧州が禁輸措置を発動しても、ロシアは新たな輸出先を確保するだけで、事態の解決にはつながらないという。
これに対し、マクロン大統領は2014年にロシアがクリミ半島の編入を承認した際、ルペン氏は欧州でこれを支持した最初の政治家であるとして、ロシア偏向を指摘した。そのうえで、ルペン氏はロシア政府、プーチン大統領の影響下にあると評価した。また、ルペン氏が2017年にロシア系銀行から融資を受けていた事実を指摘し、その政治的中立性を疑問視した。
また、新型コロナウイルス対策を巡ってルペン氏はこれまで政府によるワクチン接種が不十分であるとして、ロシア製ワクチン「スプートニクV」を購入するよう主張してきたが、マクロン大統領はこのワクチンを巡る動きについても、ロシア依存であるとして批判のやり玉に挙げた。
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