この研究を発表したのはレスター大学(英国)の研究者チームで、実験では英国のバイオバンクに保管されている40万5,981人のデータが分析された。被験者の平均年齢は56.5歳で、歩く速度については、そのほぼ半数(52.3%)が、普通と答え、6.6%が遅い、41.1%が早いと答えた。この3グループの被験者らの遺伝子情報を分析したところ、歩く速度はテロメア(真核生物の染色体の末端部にある構造)の長さと直接、関係があることが分かった。早いスピードで歩き、日常の行動を素早く行う人は、テロメアがより長いことが判明した。
研究者らは、テロメアの主要な役割は、染色体の末端部を、人間の体が老化するときに避けることのできない損傷、劣化、炎症から守ることであると前置きした上で、テロメアが長ければ長いほど、生物学的老化もゆっくり進むと述べている。この実験の過程で、英国の研究者チームらの計算によれば、歩く速度が早い人と遅い人の間の生物学的年齢の差は16歳にもなるという。
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