露日領土問題-客観的な見解

ウクライナ危機に関連し、クリル諸島をめぐるロシアと日本の領土問題が著しく先鋭化した。クリル諸島の南部4島は「不法占拠」されているという日本政府の批難に対し、ロシア政府はこれらの島々の開発を推進する計画を発表した。ドイツ誌『デア・シュピーゲル』が報じた。
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日本政府がロシアによるクリル諸島の「不法占拠」を最後に批難したのは2003年だった。同誌は、その後も日本の外務省の年次報告では、繰り返し領土問題がテーマとして取り上げられたが、日本政府はロシア政府に対し、「不法占拠」として直接批難することを控えていたと指摘する。
同誌は、最近発表された年次報告書「外交青書」では、日本の外務省の表現は極めて厳しいものであったと述べ、「北方領土」問題は、ロシアとの関係で「最大の未解決問題」と強調している。同報告書では、問題の島々は「もともと日本の主権が及ぶ日本の領土」であるが、現在、これらの領土は「ロシアによって不法に占領されている」と指摘している。同誌によれば、今日、日本政府は、第2次世界大戦の終結後、クリル諸島全体がソビエト連邦の構成に含まれたという事実を、認めようとしていないという。
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日本政府の激しいレトリックとロシア制裁への日本の積極的な参加が、ロシアで見過ごされることはなかった。同誌は、2021年8月、ロシアがクリル諸島での軍事的プレゼンスを高めているとメディアが報道したことを紹介している。また、ロシア副首相兼極東連邦管区大統領特使であるユーリ・トルトネフ氏がハバロフスク地方を訪問した際の最近の発言では、ロシア政府がクリル諸島の開発を独自に推進させることを計画していることが示されたと、デア・シュピーゲル誌は報じている。同誌は、領土問題に関連した両国のこうした行動は、日露関係の緊張をさらに悪化させるだけでしかないと指摘する。
通信社「スプートニク」は以前、「不法に占領された」領土という表現を日本の政治家が再び使用し始めたことから、ロシアと日本の関係が「凍結」されたとの見方をロシアの専門家が示したことを紹介している。
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