知床観光船事故受け、国が罰則強化検討

日本の北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」が遭難した事故を受け、日本の国土交通省は安全管理に問題のある観光船運行会社に対し、事業を継続できないようルールの厳格化と罰則強化の検討に入ったことが明らかになった。日本の各メディアが伝えている。
この記事をSputnikで読む
朝日新聞の報道によると、観光船などを運行する会社は日本全国で560社。国の事業許可について安全基準の設定や不適格な事業者を見つける仕組みについて、ルールの甘さを指摘する声が国交省内で上がっているという。
またNHKによると、海上保安庁への通報に乗客の携帯電話が使われていたことが判明した「KAZU 1」は、事故の3日前に行われた国の検査で搭載が義務付けられている通信設備として携帯電話で申請して通過していた。だが、事故現場周辺は申請があったキャリアでは電波が届かない「不感地帯」であった可能性があり、国の検査にも問題がなかったか検証が求められている。緊急時の連絡手段として設置されていた衛星電話も故障していた。
知床半島 海底に船体とみられるものが発見 「KAZU1」の文字確認
事故は23日昼に発生。これまでに14人の死亡が確認されている。29日には水深約120メートルの海底で沈没した「KAZU1」の船体が見つかっていた。
日本政府は、この事故で行方不明になっている乗員・乗客の捜索・救助活動について、近接するロシア側と協力していると発表していた。
27日には露警備艦がクナシル島(日本側名称・国後島)西方沖で救命胴衣を着けた漂流者とみられる人を目撃したが、現場海域の天候が悪く救助できないまま見失ったという。また、露警備艦が引き上げたリュックサックにはこれまでに死亡が確認された人と同じ名義の銀行カードが見つかっており、日本側への引き渡しを調整しているという。
関連ニュース
日本、航空自衛隊が災害派遣 北海道知床の観光船捜索で
日本の北海道知床 26人乗りの観光船浸水、連絡途絶える=NHK
コメント