研究者らは今回、翼竜「トゥパンダクティルス・インペラトル」の化石を調査した。この翼竜の後頭部には2種類の羽毛があるが、それがどのような色をしていたのかは明らかになっていなかった。
研究者らがこの羽毛を調べてみると、メラノソーム(色素を含む細胞内小器官)が見つかった。メラノソームがあれば、その形や密度から色が推定可能になる。メラノソームが大きいと、グレーや青の色素であることを示す。一方で、細長く、平らで、空洞のあるメラノソームは、明るい色であったり、玉虫色であったことを示すという。
発見されたメラノソームを分析したところ、この2種類の羽毛の色は、暗い色と明るい色であると推測できた。
英国の古生物学者のジェイコブ・ビンザー氏によると、体色は恐竜の生態を理解するのに役立つという。1億1000万年前に生息していた巨大草食恐竜「ボレアロペルタ・マークミッチェルアイ」には捕食者である敵がいないと思われていたが、その体色から周囲にとけこむカモフラージュが可能であると推定できることから、捕食者が存在したと考えられている。一方で、ゾウやサイのように捕食者がいない動物には、体の色彩パターンがないという。
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