ルーブルの対ドルレートは2022年の年初から11%上昇した。ルーブルがこれほど強くなっているのは、政府が時宜良く、規制措置を講じているためである。ブルムバーグによると、対露制裁を背景に、露政府は資本フローのコントロールを実施し、輸出業者に対し、貿易取引による売上で得た外貨を売却するよう義務付け、ガスの供給に対してはルーブルでの支払いを要求している。
厳しい状況において、財政の安定維持を目的に資本フローをコントロールすることで効果が得られることは、これまでにも世界で実践され、証明されてきたとブルームバーグは指摘する。加えて、ロシアのルーブルは、今回講じられた措置に対し、同様の措置が取られた他の通貨よりもより良い効果が得られている。そしてルーブルは、完全に回復することができずにいるトルコ・リラやアルゼンチン・ペソを追い抜いた。
ロシアのルーブルは3月中ば以降、国内で導入された中央銀行の通貨と資本フローのコントロールによる効果が出たあと、ドルに対しても、ユーロに対しても、同様に強くなっている。外貨に対する需要は低下し、輸出業者らは売上高の80%に相当する外貨を売却するよう義務付けられるようになった。2022年3月10日のドルとユーロのレートは、モスクワ証券取引所で、対ドルで121.5ルーブル(239.54円)、対ユーロで132.4ルーブル(261.03円)という最高値となったが、5月5日には、対ドルレートは2年前の最低レベルの65.31ルーブル(128.76円)、対ユーロでは69.72ルーブル(137.46円)まで下落した。
2022年、露ルーブルが一時世界でもっとも強い通貨になったというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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