ウクライナでの軍事作戦で日本の原子力エネルギーに発展の可能性

ウクライナでの軍事作戦とそれをきっかけに発動された対露制裁が日本の原子力エネルギーに発展の可能性を与えた。三菱重工の原子力セグメント長を務める加藤 顕彦氏は、フィナンシャルタイムズからの取材にこうした見解を表している。
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加藤氏は、かつて国内使用電力の約3分の1を賄い、福島原発事故後に停止された原子力発電所を再稼働させることで、日本経済のロシア産エネルギー資源への依存度を下げることができると語る。「今後、ロシアからの燃料輸入は難しくなるかもしれない。海外からの燃料を買い続ける限り、不安定な状態に陥るリスクは常にあることを人々は認識し始めている」
フィナンシャル・タイムズ紙は、日本では原子力発電の安全性について多くの人が考えを改め始めていると指摘している。日本経済新聞が3月に実施した世論調査では、原発の再稼働を支持する人が53%と、事故後最も高い数値が示された。
加藤氏は、日本政府内でも原発利用に対する考え方が変わってきたと指摘する。岸田首相は4月、電気ガス料金の値上がりを踏まえ、原子力による発電の比率を高めることを検討すべきと発言している。日本は現段階ではまだ、対露制裁の中のロシア産エネルギー燃料の完全拒否には加わっていない。にもかかわらず、世界的なガス・石油価格の値上がりで日本経済はすでにエネルギー危機に直面している。
日本、エネルギーひっ迫でも原発は新増設せず
フィナンシャルタイムズは、これに比べると核原料の状況はより安定していると指摘している。日本は、原発で使用するウランの約55%を西欧諸国から購入している。このため、ウクライナでの軍事作戦開始後に生じたロシア産エネルギー資源の供給の緊迫状況は、日本の原子力発電所の早期再稼働によって一部解決される可能性がある。この点について、加藤氏は、国内の数か所の原発は、早ければ2023年にも再稼働する計画だと述べた。
スプートニクは先日、日本が直面する経済困難を原子力セクターの活性化で乗り切ろうとする可能性について、ロシア人専門家らの見解を紹介している。
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