英ガーディアン紙によると、ルノーのルカ・デメオCEOは、チャンスが現れ次第、ルノーは直ちにロシアに戻る準備ができており、その目的のために今回事業をロシアの国に渡すことで保護を図ると述べた。
「本日、我々は困難ではあるが必要な決断を下した。ルノーは、グループの効率性と将来的にロシアに復帰する能力を維持しつつ、ロシアにおける4万5千人の従業員に対して、責任ある選択をする」
ガーディアン紙はまた、モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長がルノーの決断を支持し、失業防止のために市が工場を引き継ぐと発言したことも伝えている。一方でモスクワのルノー工場は、由緒ある「モスクヴィッチ」ブランドの乗用車の生産を、今度は技術的に新しいプラットフォームで再開していく。ソビャニン市長は、将来はモスクヴィッチの工場で電気自動車を生産すると展望を語っている。
ルノーのクロスオーバー「ダスター」も数奇な運命をたどることになり、ルノーとの契約でロシアで「ラーダ」ブランドとして生産されることになった。
マントゥロフ産業貿易相によると、アフトヴァズは、ロシアへの部品、部材供給などの支援を約束したルノーとともに、今後も自動車生産を続けていく。その際にマントゥロフ産業貿易相は、ルノーには今後 6 年間はアフトヴァズの資本に戻る可能性は温存されるものの、ルノーがモスクワにもっていた工場を買い戻すことはできないと念を押した。
厳しい経済状況にもかかわらず、ルノーはロシアで2022年4月だけで2231台を販売した。ただし上海のルノーのディーラーは1台も売ることができなかった。
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