コロナ禍で肥え太り 他者の痛みで大儲けした世界の富裕者

新型コロナウイルスの感染が拡大した2年間で、世界の億万長者らの資産は過去23年で最大値を記録した。貧困と不正の根絶を掲げ、90カ国以上で活動するNPO「オックスファーム・インターナショナル」が「痛みを利用して儲ける」» (Profiting from Pain).と題して行った報告書でこれを明らかにした。
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「オックスファーム・インターナショナル」は世界の金融、ビジネスのエリートが集まるダボス会議の開幕にむけて、この報告書を用意し、世界各国の政府に富裕者からの税金徴収を増額し、その金でコロナ禍で一番大きな被害を受けた社会層を援助するよう呼びかけた。インドに本拠地を置く英語の多国籍ニュースチャンネルWIONが報じた。「オックスファーム・インターナショナル」の報告書によれば、コロナウイルスのパンデミック中、573人が数十億ドルの富を築いた。 つまり、平均して30時間ごとに新たに億万長者が誕生していたことになる。ところが同じ30時間におよそ100万人が貧困の瀬戸際に追いやられていた。そして2022年現在、世界でおよそ2億6300万人が貧困線に満たない状態にある。
世界の億万長者の富の合計は、現在、世界のGDPの13.9%に達しており、2000年の4.4%から3倍に増えた。富裕層は特に食品と医薬品、エネルギー分野で急成長している。過去2年間、彼らの財産は2日ごとに10億ドル(1277億円)ずつ膨れ上がり、累計4530億ドル(57兆8500億円)となった。そして、世界のトップ5のエネルギー企業、BP(英)、シェル(多国籍)、トタルエナジーズ(仏)、エクソンモービル(米)、シェブロン(米)は、毎秒2600ドルの利益を上げているとWIONは指摘している。
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「オックスファーム・インターナショナル」が特に注意を向けているのは、今、エネルギー、食糧、医薬品のセクターで独占状態にある企業が未曽有の利益を上げている一方で、その従業員らは生活条件が悪化し、世界的な価格上昇が起きているにもかかわらず、給与額は変わっていない実態だ。「オックスファーム・インターナショナル」は、億万長者らの資産が急激に増えているのは、彼らが頭脳を使い、より熱心に仕事をしているからではなく、世界の体系の中で数十年にわたって様々な抜け道を利用して納税を回避し、その金をタックスフリーの中で隠して、一般社員の権利も順守してこなかったからだと強調している。これを理由に「オックスファーム・インターナショナル」は富裕者の税金を引き上げ、貧困にあえ数巣百万人を助けるべきだと呼びかけている。
日本がいかにガソリン、電気料金、食糧の値上がりといった経済危機に対処しようとしているかについてのスプートニクの記事はこちらからお読みいただけます。
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