クアッド首脳会議の議題は、新型コロナウイルスのパンデミックに続き、ウクライナ紛争によって引き起こされた国際秩序と世界経済の変化を反映したものだった。クアッド参加国の首脳らは全会一致を目指しているものの、彼らの間には依然として相違がある。
インドは現時点ではクアッド加盟国の中で唯一、ロシアを直接非難することを拒否している。総括した文書にロシアへの言及がないのは、おそらくそのためと考えられる。また日本には、クアッドの結束を崩さないよう、インドに説得するミッションが課されたのではないだろうか。
インドと日本は、近い将来、「2+2」のフォーマットで外務・国防閣僚会議を開催することを確認した。
オーストラリアは、中国とソロモン諸島が先日結んだ安全保障協定について、また日本は、中国船による水域境界線の侵犯件数の増加についての懸念をそれぞれ表し、さらに4カ国はそろって、中国が台湾問題を武力で解決しないように警戒し警告を発した。
日本は米英豪からなる「AUKUS」の軍事パートナーシップに参加の構えはないものの、さまざまな形での協力強化の用意は表明している。
同様に、4カ国はそろって北朝鮮のミサイル発射を非難しており、共同声明では朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントと日本人拉致問題の解決の必要性が再確認された。
4カ国とも、その経済や物流は何らかの形で太平洋と関係していることから、インド太平洋地域のインフラ発展プロジェクトに5年間で500億ドル超を充当することで合意した。
また、サミットでは、クアッド加盟国間のデータ共有やサイバーセキュリティの強化も提唱された。
クワッドは地球温暖化対策の一環として、クリーンなアンモニア燃料を製造するための新たな条約を締結し、「地球気候変動の影響緩和とこれへ対応するための」一連の対策を開始する構えを表した。クワッドはまた、コロナウイルス対策への取り組みを継続し、新しい感染症に対するワクチン開発のために5億2400万ドルを割り当てる。
先日、オーストラリアの新首相に選出されたアンソニー・アルバニージー氏は、次回のクワッド首脳会合を来年2023年に自国で開催することを提案している。
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