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食品ロスから「食べられるコンクリート」を作る方法 東大准教授が開発

日本の東京大学生産技術研究所の酒井雄也准教授は、食品ロスや食品廃棄物を「食べられるコンクリート」に変える方法を開発した。こうした取り組みは世界初で、食品ロスの削減や、セメントを用いたコンクリートに代わる持続可能な材料への移行が望まれる。
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新素材の生成方法は乾燥、粉砕、圧縮の3段階。野菜や果物の皮、コーヒーかす、白菜、コンビニ弁当などを乾燥させ、ミキサーで粉砕した後、熱プレス機で圧縮してコンクリート状に加工する。
酒井教授は香辛料で味を調整し、色や匂い、味も残すことにも成功。また、この新素材の曲げ強度は通常のコンクリートの4倍近い曲げ強度を有しているため、防水処理を施せば建材としても使用できるようになるとしている。
AP通信の取材で酒井准教授は、この素材は災害時にも役立つと話す。例えば、避難所に設置する簡易ベッドを作り、万が一食料が届かない場合、解体して煮れば食料となる。また、完全植物性由来であるため、不要になったら埋めて処分することもできるという。
大学在学時代に酒井准教授と共同開発した町田紘太さんは現在、この新素材を利用した食器や家具などの製造・販売を手掛ける「fabula」の代表取締役(CEO)を務める。町田さんは「最終的に、この素材がプラスチックやセメント製品に取って代わることが私たちの望み」と語っている。
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東京大学生産技術研究所の酒井雄也准教授(右)とfabula株式会社の町田紘太CEO(日本・東京都千代田区、26日)

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フラスコの中で乾燥させている白菜(日本・東京都千代田区、26日)

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乾燥させた野菜や果物の皮を粉砕する前に確認をとる酒井准教授と町田CEO(日本・東京都千代田区、26日)

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植物性コンクリートで作ったプレートとコップ(日本・東京都千代田区、26日)

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ミキサーで粉砕した乾燥キャベツの粒子(日本・東京都千代田区、26日)

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乾燥させた野菜や果物の皮を粉砕させる酒井准教授と町田CEO(日本・東京都千代田区、26日)

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乾燥キャベツから作られた植物性コンクリート(日本・東京都千代田区、26日)

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