新素材の生成方法は乾燥、粉砕、圧縮の3段階。野菜や果物の皮、コーヒーかす、白菜、コンビニ弁当などを乾燥させ、ミキサーで粉砕した後、熱プレス機で圧縮してコンクリート状に加工する。
酒井教授は香辛料で味を調整し、色や匂い、味も残すことにも成功。また、この新素材の曲げ強度は通常のコンクリートの4倍近い曲げ強度を有しているため、防水処理を施せば建材としても使用できるようになるとしている。
AP通信の取材で酒井准教授は、この素材は災害時にも役立つと話す。例えば、避難所に設置する簡易ベッドを作り、万が一食料が届かない場合、解体して煮れば食料となる。また、完全植物性由来であるため、不要になったら埋めて処分することもできるという。
大学在学時代に酒井准教授と共同開発した町田紘太さんは現在、この新素材を利用した食器や家具などの製造・販売を手掛ける「fabula」の代表取締役(CEO)を務める。町田さんは「最終的に、この素材がプラスチックやセメント製品に取って代わることが私たちの望み」と語っている。