「私が感じる失望は言葉では言い表せない。私が提出した証拠の山は、私の元夫の巨大なパワーや影響力、支配力に対して不十分だった」
陪審員は、1カ月半以上続いた裁判の結果、デップ氏への名誉毀損でハード氏の有罪を認め、元夫に1500万ドル(約20億円)を支払うように命じた。一方で裁判所は、ハード氏の主張も一部認め、デップ氏に対し200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。
公判廷後、ファンに挨拶するジョニー・デップ氏
© AFP 2023 / Brendan Smialowski
2017年に2人は離婚し、このことからスキャンダルが続いた。その後、デップ氏は、彼を名指しはしないものの、元妻が2018年に米紙に対し寄稿した性暴力の記事に対して、5000万ドル(20億円)の賠償を求めていた。
この訴え後、元夫への「キャンセル・カルチャー」が広がった。デップ氏は、すでに決まっていた役も含め、いくつもの仕事がキャンセルとなり、酷評されたこともあった。
ハード氏は、「この判決が他の女性たちに与える影響に、さらに失望している」と述べた。彼女は、「女性への暴力を深刻に受け止めるべきという考え方に逆行する」と警告した。
ハード氏は評決について、デップ氏の弁護士は、「言論の自由という基本的原則に注意を払わないよう陪審員を説得することに成功した」と主張した。
デップ氏とハード氏の関係は2011年に始まり、2014年1月にデップ氏が結婚を申し込んだ。1年後に2人は結婚したが、2016年5月にはハード氏が離婚の申請を行っている。