「ポリティコ」の記事によれば、米政府は、現在ロシア、国連、トルコが主導している協議の状況を注視しているが、その展望については懐疑的な見方をしている。
記事では、「ある米国議員は、米国はロシアの提案を『強制外交』であると見なしており、こうした取引に応じるつもりはなく、ロシア政府に対する経済的圧力を解除することはない」と記されている。また、匿名の国連職員の言葉を引用し、穀物の輸出と制裁解除を関連づけることは、それでなくても「脆弱な」協議プロセスをさらに「複雑化する」ことになるとも指摘している。
米国と同盟国は、ウクライナの黒海沿岸部を封鎖し、世界市場への供給を妨害しているとしてロシアを非難している。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は3日「ロシア24」テレビの放送、ウクライナからの穀物輸出に問題はなく、ロシアはそれを妨害していないと表明した。プーチン大統領は、ウクライナが港から機雷を撤去すれば、穀物を積んだ船舶は問題なく出港できると主張した。プーチン大統領は、ウクライナが陸路で穀物を輸送する場合、ベラルーシ経由が最もコストパフォーマンスが高いと指摘。ただし、そのためには西側がベラルーシに発動している制裁の解除が必要となる。
また、先週、イタリアのマリオ・ドラギ首相と電話会談を実施したプーチン大統領は、ロシアは、西側からの政治的動機による制限の解除を条件に、穀物と肥料の輸出によって食糧危機を克服するため、多大な貢献を行う用意があると表明した。またプーチン大統領は、食料分野における状況は、米国とEU(欧州連合)による対露制裁によって深刻化したと強調した。
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