日本経済新聞の記事によると、日本国内では火力発電所の休廃止が相次ぎ、原子力発電所の再稼働は、地元の同意が得られていないことなどが理由で遅れている。また、ウクライナ情勢をめぐり、ロシアからの安定した燃料調達にも不透明感が高まっている。
電力会社が安定して供給するためには少なくとも3%の予備率が必要。しかし、この冬は電力会社によっては予備率がかなり低くなる可能性があり、2023年1月の東京電力ホールディングス管内の予備率はマイナス0.6%まで落ち込むと予想されている。これにより、計画停電などが起きかねないと同紙は指摘している。
同紙によると、西日本の6つの電力会社と東京電力の予備率を3%にするには350万キロワットが必要。必要量の一部である150万キロワットは、2023年1月までに検討される火力発電所の再稼働で賄うことができる。一方、ロシアからの液化天然ガス(LNG)の輸入が全て止まると、さらに400万キロワット強の火力が動かなくなるとの試算もある。
2011年に発生した福島第一原発の事故以前、日本には50基以上の原発があり、日本で使用される電力の約30%を原子力で賄っていた。原発の稼働が一時的停止された結果、エネルギー供給の主な負担は火力発電所にのしかかった。政府は今後、エネルギー分野の安定化のため、原発の一部再稼働に向けた方針を継続すると見込んでいる。
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