メキシコの保健当局によると、病院から脱走したのは米テキサス出身の男性。来院時には、せきや筋肉痛の他、膿疱のような発疹がでていたという。
男性は病院を抜け出した後、すぐに飛行機で米国に帰国。その後の検査で、サル痘への感染が確認されたという。男性はメキシコ滞在中にプエルトバジャルタのクラブでのパーティに参加しており、当局はクラブを訪れた人に、体調を観察するよう呼びかけている。
同通信によると、世界保健機関(WHO)は8日、サル痘の流行地域以外の国々での累計感染者数が1000人を超えたと発表。同機関は、今のところ死亡例はでていないが、こういった国々で流行する危険性があると警告している。
サル痘ウイルスは1958年、デンマークの研究所で、サルの天然痘類似疾患の調査を実施していた際に発見された。ヒトへの感染へは1970年、コンゴ民主共和国で初めて確認された。WHOは、天然痘ワクチンの接種がサル痘への効果的な予防策になるとして、濃厚接触者となった場合はワクチンを接種するよう推奨している。
サル痘は、ヒトの間でも感染する珍しいウイルス感染症。通常は軽症で、ほとんどの人が数週間以内に回復するが、人によっては合併症を起こすことがある。サル痘の初期症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、背中の痛み、リンパ節腫脹、悪寒、疲労感など。発疹は、多くの場合、顔から始まり、体の他の部分に広っていく。発疹は変化していき、様々な段階を経て最終的にかさぶたを形成し、その後剥がれ落ちるという。
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