世界銀行が新たに出した予測では、2022年の原油価格はこれまで出した予測よりも24ドル(3220円)高の平均で1バレルあたり100ドル(13430円)。2023年は改定の予測では1バレル110ドル(14780円)まで値上がりし、場合によっては140ドル(18810円)にせまるとアナリストらは踏んでいる。芳しくないこの予測は西側がロシアのエネルギーセクターへの追加制裁を発動した場合、現実のものとなる。
「ロシアの侵攻への報復として出された制裁で外国の石油会社の撤退、投資の減少、外国製機械の入手が制限され、原油および天然ガスの生産に持続的な悪影響が及ぶことが予想される。2023年には、米国を含む他の地域での生産が増加するため、エネルギー価格の上昇は控えめになると予想されるが、それでも価格はこれまでの予想を大幅に上回り、過去5年間の平均価格を著しく超えるだろう」世界銀行はこうした予測を発表した。
国際エネルギー機関(IEA)の評価では、ロシア産石油の輸出量削減を原因とする石油不足は備蓄を使用し、輸出先を別の市場に変更し、さらにOPEC諸国が増産することで部分的には補填できる。現在、ロンドン国際石油取引所ではブレント原油8月先物価格は1バレル120ドル(161200円)台で推移している。
OPECプラスは6月2日、エネルギー危機のリスクを下げるため、7月、8月の増産で合意している。
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