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日本 黒潮海域で実験 新たな再生可能エネルギー「海流発電」を求めて

日本の重工業メーカー「IHI」と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、新たな再生可能エネルギーの供給を目指して、海流を利用した発電の実験を行っている。科学メディア「ニュー・アトラス」が伝えている。
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再生可能エネルギーが利用できるチャンスは、どの国にも同等にある訳ではない。日本では太陽光発電のポテンシャルはそれほど高くなく、風力発電も欧州や米国に遠く及ばない状況だ。また、福島の原発事故の影響で原子力発電の導入は政治的に困難であるため、ゼロエミッションを目指す日本がエネルギー自給率を維持するには、他の国よりも革新的な取り組みが必要となっている。
しかし、日本には多くの海岸線があり、領海や排他的経済水域の面積は世界第6位であるため、海洋を利用した代替エネルギーのアイデアは特に魅力的だ。世界では、英国のスコットランドが潮流を利用した「潮流発電(海流発電)」を行っている。
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日本の場合、こういった発電方式が行えるエリアは黒潮。黒潮は最大で100キロメートルの幅をもち、毎秒流量は6500万立方メートルにも上る。
黒潮を利用すると、約205ギガワットの電力を供給できる可能性がある。IHIとNEDOは2011年から海流エネルギー発電の研究開発に取り組んでおり、2017年には黒潮海域で100キロワット級実証機「かいりゅう」を導入して実験を行っている
同メディアによると、日本で海流を利用した発電が行えるようになると、非常に信頼性の高いクリーンエネルギー源として、日本の脱炭素化に大きく貢献することができる。日本の太陽光発電の施設稼働率は15%、陸上風力発電では29%だが、海流発電の場合は50〜70%と、他の再生エネルギーより大幅に高い。
さらに、気候変動に関する研究によると、地球温暖化の影響で黒潮の流れが強くなり、今後数十年の間にこういった発電機が得る電力量が増大する可能性がある。海流を利用した発電方法は、人類が自然から電力を得るために可能な限り悪影響を及ぼさないように工夫を凝らしたものであり、大きな可能性を秘めている。
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