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インド 50リットルの水銀を使った液体鏡式望遠鏡の運用が開始

インドのデバスタル天文台で、50リットルの水銀を反射鏡にする液体鏡式望遠鏡「ILMT」の運用が開始した。この望遠鏡を使うことで、これまでの望遠鏡では捉えることが難しい銀河や天体の観測が期待されている。学術誌「サイエンス」が伝えている。
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反射鏡として液体の反射材を使用する望遠鏡を、液体鏡式望遠鏡という。反射材として水銀や過冷却状態のガリウムが使用されることが多く、今回インドで観測がスタートしたILMTは、このタイプの望遠鏡では世界で4番目のものとなる。液体鏡式望遠鏡の利点は建設費を抑えられることだが、欠点は有毒な水銀を使う点だ。
リエージュ大学(ベルギー)の天文学者ジャン・スルデジ氏は、ILMTを使えば光学望遠鏡で観測が難しい天体の「クエーサー」や、活動銀河、レンズ状銀河など特殊な天体の検出と観測、さらには超新星の追跡もできると期待を寄せている。研究者らによると、ILMTを使えば、50個ものレンズ状銀河が観測できる可能性がある。
また、ILMTはデバスタル天文台にある3.6mの光学望遠鏡「DOT」の観測をサポートする役割を担うという。
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