カロリンスカ研究所(スウェーデン)の研究者らは今回、ストックホルム在住の生後6カ月前後の乳児177人の肺機能を分析した。また、研究者らは、乳児が生まれてからこの研究に参加するまでの大気中のPM2.5(大気中に浮遊する直径2.5マイクロメートル以下の粒子)、PM10(直径10マイクロメートル以下の粒子)、二酸化窒素の濃度を算出した。
これらの濃度は、研究に参加した乳児の居住エリアによって異なるが、大気汚染により強くさらされた子どもは、これら3つの汚染物質(PM2.5、PM10、二酸化窒素)によって気道径や肺活量など肺機能が低下していることが分かった。
この研究では、PM10が1立方メートルあたり5.3マイクログラム増加すると、乳児の強制肺活量が10ミリリットル減少していたという。
研究者らは、ストックホルムの大気汚染レベルは国際的な基準からすると比較的低く、このレベルでも乳児の肺機能に悪影響があることは憂慮すべきことだと指摘している。この研究結果は、都市部での大気汚染削減のためにさらなる対策が必要であることを示している。
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