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気候変動はトマトの収穫に強い打撃を与える

近い将来、地球温暖化により加工や缶詰、ケチャップなどのソースに使用される加工用トマトの収穫が減少する恐れがあるとデンマークの研究者が予測している。この予測をまとめた論文が、科学誌「ネイチャー」に掲載されている。
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地球規模の気候変動は、自然界の生態系だけでなく、作物生産などの農業にも影響を与えている。研究者らは気候変動を考える上で、食糧の中で最も重要なものである穀物とジャガイモに注目している。穀物とジャガイモはカロリーとタンパク質のほとんどを人間の体に提供してくれるからだ。しかし、健康な食生活を送る上で欠かすことのできないトマトをはじめとする野菜類も気候変動の影響を受けることがあるという。
加工用トマトは様々なソースや保存食の調合に使われるもので、通常、スーパーマーケットの棚には並ばない特別な品種だという。
この研究に取り組んだダヴィデ・カンマラーノ氏は、「加工用のトマトは屋外で栽培されるため、栽培条件をコントロールすることができない。このため、加工用トマトは気候変動の影響を受けやすい」と指摘している。
加工用トマトの多くは米国(主にカリフォルニア州)、イタリア、中国の一部(甘粛、内モンゴル、新疆)の3箇所で栽培されている。研究者らによると、今後数十年でこれらの地域の平均気温は著しく上昇し、水不足が深刻化し、加工用トマトの栽培には不利な変化を受けるという。特にイタリアは干ばつが深刻な問題となるという。
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一方、カリフォルニアや中国では、温暖化によってトマトの収穫量が多少増えるかもしれないという。しかし、そのためには、米国や中国のトマトの栽培地を「北上」させる必要がある。その場合、野菜栽培とはあまり縁のないモンゴルも有望な栽培地となる。
しかし、トマトの露地栽培の中心地を変えても、収穫量の減少を完全に補うことはできないだろうし、研究者や農家は将来起こりうる野菜不足について今考えておくべきだと、カンマラーノ氏は忠告している。
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