実験には、小児期に失明と診断された12人と、視力のある14人が参加した。1回が2〜3時間のトレーニングを20回行う中で、研究者は、すべての参加者が、音の反響を利用したエコーロケーションのスキルを大幅に向上させたことを明らかにした。
参加者は、迷路(T字路やU字カーブ、ジグザグした通路)を移動し、口で音を発することで対象物のサイズや方向を把握するように訓練された。その際、最近訓練を受けたばかりの人でも、以前から独学でエコーロケーションを学んでいた人とほぼ同じような能力を示すことができた。
参加者らがこうした技能を習得するのにかかった期間はわずか10週間だった。また、習得のスピードはあまり年齢に関係がなく、エコーロケーションのマスターは若者と同様に高齢者も可能だった。
トレーニング終了から3カ月後、視覚障害を持つ参加者は、エコーロケーションが日常生活での移動を劇的に改善させたことを実感した。
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