実際、デフォルトは起きたのか?
ロシア財務省は債務を全額、期限内に履行したと発表した。ドルやユーロでの支払いは2022年5月20日、つまり、米国がロシアの外貨建て国債を処理するライセンスが切れる5日前に、早くも全額が証券保管振替機構に送られている。
ロシアの証券保管振替機構は、ロシアのインフラで権利が計上されたユーロ債の保有者に同日送金し、さらにその先に投資家に送金するために、決済・清算システムのユーロクリアなど海外の仲介機関にも送金していた。資料から明確なように、決済のためにユーロクリアに5月24日にドル建て、5月25日にユーロ建てで送金された支払いを、ユーロクリアの社員は投資家に送金する金融上のチャンスがあったにも関わらず、それを行使しなかった。こうロシア側は主張している。
つまり投資家が資金を受け取れなかったのは、ロシア財務省が送金を行わなかったためではなく、第三者の行為によるものである。このような状況は債務不履行の理由としては国債文書に規定されていないため、通常の法律に基づいて検討される。このためロシア財務省は、被害を受けた外国人投資家に対して、支払いを行わなかった金融機関にクレームを出すよう提案している。
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