北欧2国のNATO加盟、トルコが支持へ 立場一転

スウェーデン、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟について、28日にスペイン・マドリードで行われた北欧2国とトルコ、NATOによる4者会談の結果、トルコがこれまでの立場を一転させ、2国の加盟を支持することで合意した。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が明らかにした。
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これまでにトルコのエルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドがトルコの反政府組織「クルディスタン労働者党(PKK)」を支援しているなどとして、2国のNATO加盟に否定的な立場を示していた。
28日の会談にはNATOのストルテンベルグ事務総長の仲介のもと、トルコのエルドアン大統領、スウェーデンのアンダーソン首相、フィンランドのニーニスト大統領らが参加した。
会談で北欧2国はトルコ側のテロとの戦いに協力し、PKKや2016年のトルコ・クーデター未遂事件に関与した疑いのある「ギュレン運動」を支援しないことに合意。また、トルコ産の防衛装備品などの禁輸措置も解除することで一致した。2国がトルコに大幅に譲歩することを引き換えに、加盟支持を勝ち取った形となる。
トルコの立場が一転したことで、2国のNATO加盟は歴史上例のない速さで実現することになる。NATOはスペインで30日まで行われる首脳会議で2国の加盟を正式に承認する見通しで、その後、加盟に必要な文書の批准が行われる。
NATO首脳会議 集団防衛の強化とウクライナ支援が最重要テーマに
スウェーデンとフィンランドはウクライナ情勢を背景に、5月18日にNATO加盟を申請していた。
ロシアはNATOが対立を目的としていると繰り返し指摘してきた。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、NATOのさらなる拡大は欧州にさらなる安全をもたらすわけではないとし、NATOは攻撃的性質を持っていると述べていた。また、プーチン露大統領は、フィンランドの安全保障への脅威は無いため、同国の伝統的な軍事中立政策の放棄は誤りだと指摘していた。
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