再編「サハリン1・2」をめぐる状況

LNGの安定供給が守られるよう、官民一体で対応する=木原官房副長官

日本の木原誠二官房副長官は4日の記者会見で、石油・天然ガス開発事業「サハリン2」とロシア大統領令をめぐり、「LNG(液化天然ガス)の安定供給が守られるよう、官民一体で対応する」との考えを示した。
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ロシアのプーチン大統領は先週、「サハリン2」の事業主を新たに設立されるロシア法人に移行し、現行の事業主「サハリン・エナジー」の資産、また権利や義務を移すことを定める大統領令に署名した。
サハリンエナジーには、ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロムが約50%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%それぞれ出資。天然ガス生産量の約6割が日本向けとなっている。ガスプロムはその権益を維持するが、外国の出資者は現行の割合で新会社の株式取得に同意するか否かを1ヵ月以内にロシア政府に通知しなければならない。ロシア政府は通知を受けて、株式を譲渡するか否かを3日以内に判断する。譲渡されない株式は売却され、売却によって発生した現金は、外国出資者の行動によって被った損害を差し引いた分が特別の口座に振り込まれる。
木原氏は4日の記者会見で次のように述べた。
「先日も申し上げた通り、今回の大統領令によって、直ちに『サハリン2』からのLNGの輸入が止まるというわけではないが、今後、大統領令に基づき求められる内容について事業者と共によく精査をさせていただいて、慎重に対応策を考えていきたいと思う。同署名による『サハリン2』プロジェクトにおける日本企業の権益の扱い、そして『サハリン2』プロジェクトからの日本のLNG輸入への影響はまさに今、精査中だ。今後の対応に関する具体的な時間軸については現時点で予断を持ってお答えすることは差し控える。いずれにしても、この『サハリン2』は日本の電力そしてガスの安定供給という観点から重要なプロジェクトであるので、引き続きLNGの安定供給が守られるよう、官民一体で対応していきたいと考えている」
英石油大手シェルは2月末、「サハリン2」を含むガスプロムおよびガスプロムネフチとの合弁を解消し、「ノード・ストリーム2」への参加も停止すると発表した。日本企業と日本政府は、「サハリン2」への参加が日本のエネルギー安定供給を可能にするため、同プロジェクトにとどまる方針を強調していた。
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