サックス氏は、医学誌「ランセット」で新型コロナウイルス委員会の委員長を務めている。同氏はその会議で「だから、私の考えでは、これはバイオテクノロジーにおける失敗であり、自然に発生したものではない」と発言した。
さらにサックス氏は、これが事実かどうか「確かなことは分からない」が、このように示す「十分な証拠 」があり、「調査されるべき 」だと指摘した上で、この説が「米国でもどこの国でも研究されていない 」と述べている。
5月、米コロンビア大学のニール・ハリソン教授(分子薬理学・治療学)とサックス氏は、新型コロナウイルスが研究室で作られたことを示唆する論文を学術誌『米国科学アカデミー紀要』に投稿した。両氏はこの論文で、新型コロナウイルスに関する多くの適切な証拠が開示されておらず、中国当局がもっと透明性を高めることが非常に有効であることは間違いないが、米国の研究機関や大学にも利用可能になっていない情報があると指摘している。
両氏は論文で、新型コロナウイルスが研究室から発生したことを示す指標として、このウイルスのスパイクタンパク質の重要な部分である8つのアミノ酸の配列が、人間の気道上の細胞のアミノ酸配列と類似していると指摘している。
ハリソン氏とサックス氏は、米国政府の科学機関、特に米国立衛生研究所(NIH)に対し、新型コロナウイルスの起源について完全で独立した透明性のある調査を支援するよう求めている。