このミイラは、紀元前1世紀にエジプトで生きていた20〜30代の若い女性。これまでの調査で女性は妊婦であることが判明していたが、その死因は明らかになっていなかった。
ポーランドの研究者らがこのミイラを3Dプリンターで印刷するために頭蓋骨を調べたところ、顔の骨の一部に大きな傷があることに気がついた。しかもその傷は、通常ミイラを作る作業で生じる傷よりもはるかに大きいという。
そこで調査をすすめたところ、死因は重度の上咽頭がんであった可能性があることが明らかになった。ワルシャワ医科大学のラファル・ステック教授(腫瘍学)は、このミイラの女性が癌である可能性は否定できないが、死因を特定するためには、組織を分析する必要があると指摘している。
研究者らは、現在のところ死因を特定することはできないものの、別の標本からこの推測が確認されれば、がんの進化に関する知識が広がり、現代医学の発展に寄与する可能性があると述べている。
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