記事によれば、カナダとドイツは現在、ロシアへのタービン返却に反対しているウクライナと協議を行なっているという。匿名の情報筋は、この問題をめぐっては、「数日中にも」肯定的な決定が下される可能性があるとしながらも、そのためには協議の当事者すべてに「なすべきことがまだたくさんある」と述べている。
カナダ政府は、ロシアは「稼働可能な予備のタービンをもう1つ保有している」ものの、「欧州に経済的な圧力をかけることを目的として」その使用を控えているとの見方を示している。そこでタービンのロシアへの返却は、「欧州に圧力をかけようとする手段を排除しようとするもの」だと記事は指摘している。
露国営「ガスプロム」は6月半ば、「ノードストリーム」は、日量1億6700立方メートルのガス輸送を予定していたが、今後6700万立法メートルしか輸送できない可能性があると発表した。「ガスプロム」はその理由について、カナダの対露制裁により、独シーメンス ・エナジー社が修理していたガスポンプユニットをカナダから返送できなかったこととエンジンの故障が見つかったためだと説明している。
現在、「ガスプロム」は、欧州地域向けのロシア産ガスの供給ルートのおよそ40%を使用しているが、7月11日から21日にかけては、毎年行っている安全点検のため、「ノードストリーム」の稼働停止を計画しており、欧州のガス不足を深刻化させる可能性がある。これを受けて、ドイツ、オーストリアを含む複数の国が、点検作業の終了後、「ノードストリーム」によるガス供給が減少するか、停止するのではないかとの懸念を表している。
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