うだるような暑さにもかかわらず、特設テント内の机に手向けられた花束は10分間足らずでいっぱいになった。その数は、順番を待つ人々が亡くなった安倍元首相を追悼できるよう、自治体職員が2回に分けてダンボール箱に取り出して退けなければならないほど。
現場には、一人で訪れている人もいれば、二人組、家族で訪れている人もいる。午前10時半には、献花を希望する人の列が駅前まで数十メートルも伸びた。
事件現場に花を献げるため奈良にやってきたという京都在住の86歳の男性は、リアノーボスチ通信に対し、「日本でこんなことが起こるなんて、本当に信じられない!安倍さんはとても穏やかな政治家だった。日本はこんなにも変わってしまった」と語った。
安倍晋三元首相は8日午前11時30分ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前での街頭演説中に銃で撃たれた。安倍元首相は病院へ搬送されている間に心肺停止状態となり、午後5時3分、搬送先の病院で死亡が確認された。
NHKの9日の報道によると、司法解剖の結果、安倍元首相の死因は1発の銃弾が左右の鎖骨の下の動脈を傷つけたことによる失血死だったことが判明した。また、安倍元首相の遺体をのせたと見られる車は、9日午前6時前、奈良県橿原市の病院を出て、自宅のある東京に向かった。
警察は、元海上自衛官の山上徹也容疑者(41)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。NHKの報道によると、山上容疑者は、警察の調べに対し「特定の団体に恨みがあり、安倍元首相がこれとつながりがあると思い込んで犯行に及んだ」と供述している。また、捜査関係者によると、この団体について「母親が団体にのめり込み、多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」という趣旨の話をしているという。
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