カラウズ氏は、次のように述べた。
「スペインのマドリードで開催されたNATO首脳会議を前に合意された文書によれば、スウェーデンとフィンランドはテロとの闘い、然るべき人物の身柄引き渡しなどに関する一連の条件を遂行しなければならない。またこれと並行して、2カ国の NATO加盟申請書は28の加盟国すべての国会によって批准されなければならない。しかし、加盟申請国は依然として、矛盾した政策をとっており、トルコ政府は、この2カ国が具体的な方策を講じているのを確認するまで加盟申請書を批准しないということもありえ、これにより問題が長引く可能性もある」
またカラウズ氏は、トルコは、前回の経験を教訓に、今回は非常に慎重な行動を見せているとした上で、「我々は1980年に、ギリシアがNATOに復帰した際、義務を遂行しなかったことを知っている。またトルコはEU(欧州連合)への加盟を何年も待っている」と指摘した。
一方、スウェーデンとフィンランドの加盟に際しては、トルコに対する米国の誠意が試されることになるとカラウズ氏は付け加えている。というのも、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟の条件の一つとして、米国はトルコに米製の戦闘機F–16を売却し、武器供給に対する禁輸を解除することになっているからである。
カラウズ氏は、「ウクライナ危機を背景にスウェーデンとフィンランドがNATO加盟を急いでいるのは十分に理解できるが、トルコは何年もの間、テロに苦しんできたことから、自らの利益を断固として追求するだろう」と締めくくっている。
フィンランドとスウェーデンは、ウクライナ情勢を受け、5月18日にNATO加盟申請書を提出した。トルコは当初、両国の加盟申請手続きの開始を阻止した。しかし、6月29日、北欧2国とトルコ、NATOによる4者会談で、トルコはこれまでの立場を一転させ、2国の加盟を支持することで合意した。
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