ノルドストリーム1の完全停止、7月までに欧州で天然ガス不足のおそれ=ドイツメディア

技術的な作業完了後、ロシアがノルドストリーム1による天然ガスの供給を再開しなければ、欧州、特にドイツでは、7月末にはガス不足に直面することになる。フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙が報じた。
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同紙によれば、これまでのところドイツは他の供給国を利用することで、ロシア産天然ガスの不足を補うことができたが、しかし、このため、ドイツのエネルギー会社は大きな損失を被ることを余儀なくされている。

11日、ノルドストリーム1は技術的作業のため停止される。平時では珍しいことではないが、しかし、ウクライナ危機を背景に、このことは非常に重要に意味をもつ。報道によると、ドイツの多くの人々は、技術的な作業の完了後、ロシアがノルドストリーム1による天然ガスの再供給を開始しないのではないかと懸念している。特に、ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候保護相がこの点を指摘している。また、ドイツキリスト教民主同盟代表であるアンドレアス・ユング氏は、ドイツはロシアがノルドストリーム1を介した天然ガスの供給を再開しないというシナリオに備える必要があると述べた。
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ノルドストリーム1の運命は、ロシア政府の気分によると、同紙は指摘する。 ロシアにとって最も重要なことが利益を得ることなら、特に天然ガス価格の高騰に直面する中で、ガスパイプラインは再始動することになる。ロシアがまずウクライナで成功したいのなら、供給を停止することができる。

シンクタンク「ブリューゲル」によると、欧州諸国はこれまで、ロシア産天然ガスの不足を他の供給国で何とか補ってきたというが、そのために莫大なコストがかかることも少なくなかった。ノルドストリーム1が完全に停止された場合、欧州連合(EU)は7月末にガス不足に直面することになる。理論的には、ロシアは他のすべてのルートで欧州へのガス供給を断つことも可能だ。もし、ノルドストリーム1だけが停止するのであれば、ドイツの産業界はいずれにせよ秋までにガス消費を合理化しなければならないだろう、と同紙は報じている。
修理のためカナダに送られていた天然ガスパイプライン「ノードストリーム」のガスタービンについて、カナダとドイツは、これをロシアに返却することで合意間近であるとカナダ紙「グローブ・アンド・メール」が、カナダ政府の匿名の人物からの情報として報じた。
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