ロシアの状況
ロジャーズ氏は、対露制裁があるにもかかわらず、ロシアは外国投資家にとって魅力的な市場であり、欧米企業の撤退はロシアに利益をもたらしているとみている。また、多くの国でロシアからの金の輸入を禁止しても、魅力的な価格で買ってくれる買い手が必ずいるため、効果は期待できないという。
欧米諸国の状況
ロジャース氏は、欧米諸国の状況は悪く、米国の不況はすでに始まっている、あるいはまもなく始まるとの考えを示している。米ドルが世界の支配的な通貨であった時代は終焉を迎えつつあり、米国政府がドルを政治的に利用することでそのプロセスを加速させている。
また、ロジャーズ氏は原油市場に関して、ロシアの原油価格に上限を設けたいという西側の意向は実現できないとみている。このような措置は歴史上、すでに導入されたことがあるが、いつも2カ月と持たず、その後制裁を回避する方法が見つかり、状況は元に戻っていく。
原油価格については、ウクライナ情勢が正常化すれば下がるかもしれないが、世界経済が悪いままであれば、原油の需要が減るため下がるだろうと予測している。
ジム・ロジャーズ氏は、世界で最も著名な金融家・投資家の一人。数年前、ロシアの肥料メーカー「フォサグロ」の株を取得し、同社の取締役に就任した。
ロシアは世界有数の肥料輸出国だが、制裁により世界のサプライチェーンが遮断され、肥料価格が2倍に高騰している。そのため、世界各地で肥料危機が起きている。
関連ニュース