欧州宇宙機関、ロシアとの共同火星探査の協力解消

欧州宇宙機関(ESA)のアシュバッハー事務局長は12日、ウクライナ情勢を背景としてESAが中止しているロシアとの共同火星探査計画「ExoMars(エクソマーズ)」における協力を再開しないと発表した。事実上、協力関係の解消を通告した形となる。
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ESAはエクソマーズ計画でロシアの宇宙機関「ロスコスモス」と協力していたが、ウクライナ情勢を受け、3月に中止を発表。その後、両者は再開に向けて議論してきたが、長引くウクライナでの紛争を背景に事実上の協力関係の解消を決定したとみられる。
これを受け、ロスコスモスのロゴジンCEOは「欧州にとって火星で生命の足跡を探すより、一部諸国や高官らの政治的野心の方が重要だということは残念だ」と述べ、ロシアが自前で、もしくは友好国の協力を得て火星探査を実施する意向を示した。
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また、ロゴジンCEOはエクソマーズ計画で火星への着陸に使用する予定だったロスコスモスが開発した着陸機「カザチョーク(=コサックの意)」をイタリアからロシアへ戻す意向を示した。これにより、ESAは火星探査車「ロザリンド・フランクリン」を火星へ着陸させるための「足」を失うこととなる。
エクソマーズ計画は2016年にESAとロスコスモスによって最初の探査機が打ち上げられていた。2018年に予定されていた第2段階の探査機打ち上げは、欧州とロシアの関係悪化で2022年に延期されていた。
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