「穀物問題」協議 イスタンブールに調整センター設置で合意=トルコ国防省

トルコのアカル国防相は13日、同国のイスタンブールで開かれた「穀物問題」の解決に向けたトルコ、ロシア、ウクライナの軍代表団と国連代表団の協議で、イスタンブールに調整センターを設置することで合意したことを明らかにした。アカル氏は記者団に「全当事者の代表者が居る調整センターをイスタンブールに設置することや、出港場所と到着地点での共同管理、移動ルートにおける航行の安全確保など、主な技術的問題について合意された」と語った。
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またアカル氏によると、来週トルコで行われる「穀物問題」に関するロシア代表団とウクライナの代表団の会合で、議論された問題に関する文書に署名される見込み。
「穀物問題」協議が終了 イスタンブールで

穀物輸出「回廊」について

2022年2月24日にウクライナで特別軍事作戦が開始されて以降、欧米諸国は大規模な対露制裁を行い、その制裁は物流・輸送問題を引き起こした。ウクライナは、同国軍がオデッサを含む黒海の港に向かう経路を機雷で破壊したため、航路での穀物輸出を停止した。ウクライナとロシアは世界の小麦輸出総額の約30%を占めているため、貧しい国々は飢餓の危機にさらされている。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ政府が港を明け渡せば、ロシア政府はウクライナの穀物を搭載した船の通行を保証し、ロシアの支配下にあるベルジャンスク港とマリウポリ港を通じて穀物の輸出を保証できると述べている。
6月8日、トルコのアンカラで行われたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相とトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相の会談では、トルコが積極的な役割を果たすという、いわゆる穀物(輸出の)回廊の創設について議論が行われた。
6月21日、トルコとロシアの軍の代表団がモスクワで、ウクライナの穀物輸出再開について協議を行った。この日、トルコ、ロシア、ウクライナの3カ国の国防省の間でウクライナ産穀物の輸出を調整するためのホットラインが設置され、3カ国の陸軍大将が責任者になることが明らかになった。
トルコのエルドアン大統領は、6月28日から30日にかけてマドリード(スペイン)で開催されたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議の後、トルコ政府は黒海のルートを通る農産物の輸出再開に取り組む用意があると述べた。エルドアン氏によると、ウクライナの港には約20隻のトルコ商船があり、輸送の準備ができているという。
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