中国は、国内でパラジウムが産出されないものの、1月から5月にかけて5200トロイオンスのパラジウムをイタリア、カナダ、香港に輸出した。昨年の輸出量はこの約100分の1だった。
中国が輸出したパラジウムは、中国国外で産出された可能性が高い。ロシア産パラジウムの可能性がある。世界のパラジウム産出量の40%がロシア産だ。世界最大のパラジウム生産業者はロシアのノリリスク・ニッケル社。ロシア産パラジウムは、対ロシア制裁の対象にはなっていないが、制裁の影響で輸送に困難が生じたため、ノリリスク・ニッケルは供給するための代替ルートを探すことになった。
一方、中国が輸出したパラジウムは、世界最大のパラジウム輸出国の1つである、南アフリカから購入した可能性もある。
パラジウムは、プラチナまたはニッケル生産の副産物。主にガソリン自動車触媒に使用されている。大気中への有害物質の排出を減らすのに役立つ。またパラジウムは、電子機器、歯科医療、宝飾品などにも使用されている。
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