鳥類学者はこれまで、キツツキの頭には脳脊髄液や軟骨からなる特殊な「衝撃吸収材」があるため、頭痛になることはないと考えていた。しかし、ベルギーのアントワープ大学の研究者らが、この仮説を否定する論文を発表した。
同大学のサム・ヴァン・ワッセンベルク氏が率いる研究チームは、キツツキがマシンガンのように木を叩く動画を分析した結果、キツツキが受ける衝撃は減衰しておらず、ハンマーのように木の幹を激しく、強く叩いているだけであると結論づけた。頭蓋骨はヘルメットのような役割を果たさず、衝撃を吸収していないという。研究チームによると、もしキツツキに「衝撃吸収材」があれば、木の幹を強くつつくことができず、木から取り出した幼虫をついばむことができなくなるという。
研究チームは、キツツキが受ける衝撃は、小さくて軽い脳にとっては耐えうると指摘している。また、キツツキが叩く木は柔らかく変形できる素材だが、もし鋳鉄を叩くことになれば、きっと脳震盪を起こすと推測している。つまり、キツツキが木の幹を叩くことは、キツツキの体に無理がないということになる。
スプートニクは以前、インコやオウムの平均寿命が最長30年と非常に長いのは、その大きな脳のサイズによるものだという研究について報じた。
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