「一つの中国、もはや不要」 米前国防長官が訪台、蔡総統と会談

米トランプ政権で国務長官を務めたマーク・エスパー氏は19日、訪問先の台湾の蔡英文総統と会談した。エスパー氏はアジア地域の自由を好む人々の最大の脅威は「ロシアではなく中国だ」と述べ、アジア太平洋地域で軍事プレゼンスを高める中国をけん制した。
この記事をSputnikで読む
エスパー氏は次のように述べている。

今日の西側の民主主義にとって最も大きな挑戦はロシアではない。アジアでは中国がルールに基づいた国際秩序に対して挑戦を続け、自由を愛するアジア地域の人々を脅威にさらしている。台湾はこの競争の最前線に立っている。

また、産経新聞などによると、エスパー氏は台湾に軍事的圧力を加える中国を批判し、台湾を自国の領土とみなす中国の「1つの中国」政策について、「すでに不要」と述べたという。また、台湾有事への対応を明確にしない米国の「あいまい戦略」についても見直しを進める必要があるとの認識を示した。
台湾総統、ロケットランチャーを肩に担いで写真撮影
一方で中国外務省は19日、近く予定されているペロシ米下院議長の訪台について、「断固反対する。米国家機関の一部である上院は『1つの中国』政策を順守すべきだ」とする声明を発表。また、中国国防省も18日、米国が計画している1億800万ドル(約150億円)規模の兵器などの台湾への売却について、即時撤回するよう求めるなど、中国側は米国の台湾への介入に強く反発している。
中国はこのごろ、台湾への圧力を日に日に強めている。中国軍は台湾の防空識別圏(ADIZ)に戦闘機や爆撃機などの軍用機を5月31日、6月21日、24日にそれぞれ30機、29機、22機進入させるなど、台湾周辺で哨戒活動や軍事演習などを加速させている。
関連ニュース
中国はウクライナ危機に関して受動的な姿勢をとらない=中国外相
米国務省、対露制裁の回避で「高価な」結果について中国に警告
コメント