報告書では、「LNGの取引による代替ができなければ、EUへの衝撃はさらに大きく、EU内での生産の大幅な減少を招くことになる。その減少率はおよそ1.38%となる」と指摘され、「またもっとも大きな影響を受けているハンガリー、スロバキア、チェコなどの中欧、東欧諸国では、消費量の最大40%のガス不足となる可能性があり、GDPは最大6%減少する可能性がある」と記されている。
またクロアチア、オランダ、ブルガリアも厳しい状況になると予測されているほか、電力の生産をガスに依存しているイタリアも深刻な影響を受けるだろうとIMFは指摘している。
加えて、オーストリア、ドイツへの影響はそれほど大きくはないものの、代替資源があるかどうか、また家庭によるガス消費をどれだけ下げられるが鍵となるとされている。ドイツでは、最悪の事態となった場合、GDPは2.44%低下するとIMFは予測している。
IMFはさらに、「評価によれば、もし家庭の消費量に修正が加えられなければ、ドイツの実質GDPは、2022年にはベースライン予測から1.4%、2023年には2.7%低下するだろう」とし、LNGの世界市場にアクセスすることができた場合でも、EU内のガス価格はおよそ100%上昇するが、もし世界市場に統合できなければ、その上昇率は2022年の第一四半期と比較して370%から1000%になるとしている。
またIMFはEUのガス需要量は年間およそ4000億立方メートルで、国内生産は約450億、LNGの直接輸入は約700億で、残り(約2850億)はガスパイプラインを通じて供給されているとのデータを発表している。そのうち、1450億立方メートルがロシアから運ばれている。
関連ニュース