食品の高騰で200万の英国人が1日わずか1食

英国は今、50年来の最も高いインフレに見舞われている。その最大の打撃を受けているのは貧困層で、多くの英国人は1日1食しか食べることができない。スイス放送協会(SRF)のドイツ語放送によると、生活困窮者らは、彼らを支援するソーシャルスーパーマーケットに行き、安価な食料品を求め、糊口をしのいでいる。
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SRFが英国当局の発表した最新の社会報告書を引用して報じたところによ ると、200万人の英国人が貧困に瀕しており、1日1食しか食べることがで きない。こうした市民が飢えをしのごうと、慈善団体の開設するソーシャ ルスーパーマーケットに助けを求めるケースはますます増えている。ロン ドンのある慈善団体の所長を務めるクリス・プライス氏はSRFからの取材 に、ソーシャルスーパーマーケットの仕組みについて説明した。
「人々は5フラン(713円)の固定金額を払うことで20〜35フラン (2852〜4991円)の範囲で店内で10アイテムを選ぶことができる 」
SRFは、ソーシャルスーパーマーケットは、ぎりぎりの生活を強いられて いる英国民にとって救い主だと報じている。ここでは、わずかな料金でほ ぼ3日分の食料を購入することが可能だ。ソーシャルスーパーマーケット では、熱加工済みの肉、穀物、パスタ、缶詰などのほか、新鮮な野菜や果 物も手に入る。高い光熱費のために調理費もままならない人が多いことか ら、慈善団体のスタッフは、肉だけでなく、ジャガイモなどの食材もあら かじめボイルした状態で販売している。また、電子レンジで温めるだけで いい惣菜も販売されている。
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英国栄養財団(British Nutrition Foundation)の調査によると、最大の打撃を受けて いるのは貧困層の児童で、健康的で温かい食事を定期的にとることができ ない子どもの数は250万人にのぼる。子どもの多くは家で食べるものがな いため、朝、登校すると授業開始前に食事を与えねばならない。この現状 は、教師たちが知っている。
英国のソーシャルスーパーマーケットは決して人々を健康で幸せにする ものではない。だが少なくとも、家に帰れば心配事や空の冷蔵庫を待って いるという人々には必要な食料を提供することはできる。SRFはこう締め くくっている。

大変なのは英国だけじゃない

世界的な食料・燃料価格の高騰は、日本国民にも影響を与えている。日本 全国の商店から情報を収集・分析し、国内最大級の消費者購買データを扱う True Dataはこうしたレポートを出している。True Dataによれば、円安で輸入品 が非常に高価になったことから、状況悪化にさらに拍車がかかっている。
True Dataは、最も需要の高い食品が過去1年間でどれだけ値上がりしたか数 値で示している。
- 植物油の値段は1.5倍
- マヨネーズ は30%高
- パスタは14%高
- 小麦粉は9%以上
True Dataによると、日本の食料自給率はキロカロリー換算でわずか37%に 過ぎず、残りは海外、主に米国からの輸入に依存している。世界レベルで 起きているエネルギー危機、食糧危機、円安が日本国民に何の益ももたら さない理由はここにある。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長はこれより前、世界の食糧危機 はロシアとウクライナの農産物を国際市場に戻さない限り、解決しないと 明言している。
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