WHOは23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。WHOが約1万人の感染者を分析したところ、感染者の98.8%は男性で、その中18~44歳の男性の症例が77%を占める。一方、誰にでも感染の可能性はあり、サル痘が乳幼児や妊婦に深刻な病気を引き起こす可能性があるとWHOは警告している。
5月26日時点では、英国、米国、スペイン、ドイツ、フランスを含む23カ国で257人の感染が確認された。現在、75か国では1万6千件以上が確認されている。台湾、韓国やタイでも症例が確認されている。
サル痘ウイルスは1958年、デンマークの研究所で、サルの天然痘類似疾患の調査を実施していた際に発見された。ヒトへの感染へは1970年、コンゴ民主共和国で初めて確認された。WHOは、天然痘ワクチンの接種がサル痘への効果的な予防策になるとして、濃厚接触者となった場合はワクチンを接種するよう推奨している。
サル痘は、ヒトの間でも感染する珍しいウイルス感染症。通常は軽症で、ほとんどの人が数週間以内に回復するが、人によっては合併症を起こすことがある。サル痘の初期症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、背中の痛み、リンパ節腫脹、悪寒、疲労感など。発疹は、多くの場合、顔から始まり、体の他の部分に広っていく。発疹は変化していき、様々な段階を経て最終的にかさぶたを形成し、その後剥がれ落ちるという。
関連ニュース