現在、アフリカ諸国を歴訪中のラブロフ外相はエジプトへの実務訪問を終えた後、25日、コンゴ共和国を訪れ、続いてウガンダ、エチオピアに向かう予定となっている。
それとほぼ同時期に、米国のマイク・ハマーアフリカの角担当特使がエジプトとエチオピアを訪問する。エジプトのサメフ・シュクリ外相と共同記者会見に臨んだラブロフ外相は、米国がアフリカ諸国にロシアとの協力を断つよう説得するのは権威あるものではないと指摘した。
アフリカは展望のある地域だ
これに関連し、政治学者のドミトリー・ニコチン氏はラジオ「スプートニク」に出演し、今回のアフリカ諸国歴訪では、ロシア側にはっきりとした利点があるとの見解を明らかにし、次のように述べている。
「ラブロフ外相のアフリカ歴訪でも米国特使の訪問でも鍵となる国であるエジプトに関してですが、穀物の輸出について、ラブロフ外相は新たにもう1カ国が、ウクライナの港から出港する船舶を随行する国になると述べています。これについては、今回の会談でもその合意について話し合われた可能性があります。この国がどこになるのかという疑問は残されていますが、これがNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であることはなく、それは利害関係があり、比較的、忠誠的な国であるエジプトである可能性があります。アフリカは展望のある地域だからです。アフリカ諸国との基本的な経済モデルはエネルギー資源、食糧品、兵器の輸出です」。
現在、世界の多くの人々がロシアの立場を共有
一方、ロシア・エジプトビジネス協議会のミハイル・オルロフ会長は、アフリカ大陸の国々にとって、主権の問題は今、非常に重要なものになったと指摘した。
「ラブロフ外相のアフリカ訪問はきわめて重要なものです。この訪問は、非常に長い道のりにある一歩です。現在、本格的な戦争(西側とロシアの戦争)が行われています。地球全体が大きな問題を抱えています。なぜなら、すべてのビジネス構造、すべての政治構造、すべての関係が再構築されつつあるものの、ロードマップはないからです。これは暗闇の中を行く非常に困難な道のりであり、すべての国にとって、損失と問題―しかも国内でも外交でも―の危険性を孕んだものです。現在、世界の多くの人々がロシアの立場を共有しています。『主権』という言葉が今、非常に重要なものになっています。そして、実際、中東全体、アフリカ大陸全体にとって、主権の問題はきわめて重要なものになりました。ロシアは政治の問題全体、国際関係において、実際にこの問題にアクセントを置いている唯一の国なのです」。