英バース大学の研究者らは、代替肉を食べることで得られる効果についてまとめた43本の論文を調査した。その結果、代替肉は本物の肉の味と食感を再現することに特化しているため、ベジタリアンだけでなく、動物性食品の摂取を控えようとする人にも選ばれていることが分かった。ある研究によると、代替肉や植物由来のチーズを食べたことがある人の9割が、非ベジタリアンや、基本的には植物性の食事をとるが、時には肉や魚を食べるフレキシタリアンだったという。
また、ドイツで消費される牛肉の5%をエンドウ豆のたんぱく質に置き換えることで、年間最大800万トンの二酸化炭素排出量を削減できるという研究もあるという。代替肉のカツレツを作った場合、大気中に排出される温室効果ガスは従来より98%少ないという調査結果もある。さらに、代替肉の生産は、農地や水の使用量が格段に少なくて済むことも分かっている。
別の研究では、代替肉を摂取した人のコレステロール値が低下し、腸内細菌叢が良い状態になるなど、代替肉の健康効果を示す証拠が発表されている。生産者は、植物性の肉にキノコや植物性プランクトンを加えることで、アミノ酸、ビタミン、抗酸化物質の含有量を増やすことができる。こういったプロセスは、代替肉を食べた人の筋肉量の増加をより効果的にするために役立つという。その一方で、動物性タンパク質を含む肉の方が筋肉を作るのに利用されやすいという論文も複数あるという。
この研究を行った同大学のクリス・ブライアント博士は、「近年、代替肉などの植物性食品は驚くべき進歩を遂げているが、味や食感、調理方法を改善するための課題がのこっている。また、栄養価を向上させるために、例えばビタミン含有量を増やすなど、食材や製造に工夫を凝らす部分も多く存在する」と述べている。
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