「ザポリージャ原発の状況が急速に変化していることを踏まえ、我々は膨大かつ困難な準備作業を行った。組織的な問題や訪問の詳細は、徹底的に考え抜かれ、すでに合意された。(中略)しかし、現在に至るまで、実質的な段階には進んでいない」
「国連事務局は、純粋に政治的な理由でIAEA事務局長のイニシアチブを妨げ、この件で見苦しい役割を演じた」
また、ザハロワ報道官は、ウクライナ政府がザポリージャ原発の安全性を毎日チェックし続けていると強調した。
これに先立ち、解放地域であるザポリージャ州の当局は、ウクライナ軍によるエネルホダル市のザポリージャ原発への砲撃について、IAEAに文書による確認を提供する用意があると発表している。1日、IAEAのラファエル・グロッシー事務局長は、核兵器不拡散条約(NPT)再検討会で、IAEAの代表団が同原発を訪問する準備が整ったと発言した。
ザポリージャ原発への攻撃
ウクライナ軍は7月30日の夜、エネルホダル市に物資を届ける人道支援隊に対して無人航空機で攻撃を行った。これにより支援隊の車両が破壊され、アパート3棟、食料品店、ホテル、ザポリージャ原発の寮が被害を受けた。これより前の7月28日の夜、ウクライナ軍は同原発の職員が住むエネルホダル市の居住区を無人航空機で攻撃したが、この攻撃による死者は出なかった。
7月20日、ウクライナの神風ドローン3機がザポリージャ原発の敷地内を攻撃した。この攻撃による同原発の原子炉部分に損傷はなく、放射線量も正常だったが、職員11人が負傷し、うち4人が重体となった。
ザポリージャ原発
ザポリージャ原発は、6基の原子炉を擁し、総電力出量は約6000メガワット。ウクライナの全電力の4分の1を発電するヨーロッパ最大の原子力発電所。この原発は2022年3月にロシア軍に占領された。現在、同原発電の稼働率は70%。