「イランの核開発は急速に進んでいる」=IAEA事務総長

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は2日、イランの核分野の能力が急速に発展しているとの認識を示した。一方、核兵器の開発が可能かとの質問に対しては明言を避けた。
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「イランには野心的で、複雑な核開発プログラムがある。それらは適切に監視されなければならない」

グロッシ事務局長は記者会見でこのように述べ、イランの核開発が「能力的にも規模的にも急速に前進している」との認識を示した。一方、核兵器の開発の有無についての質問に関しては、「兵器についてではなく、核開発のモニタリングなどの権限の問題について議論したい」として明言を避けた。
ロシアとイラン、核の平和利用で協力強化を決定
英国とドイツ、中国、ロシア、米国、フランス、イランは2015年、イランの核開発計画を制限する代わりに対イラン制裁を解除するイラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」を結んだ。2018年5月、米国のトランプ大統領(当時)はJCPOAからの離脱と対イラン制裁の再開を決定。これを受けてイランは、段階的に核合意の履行を停止すると発表、遠心分離機の数やウラン濃縮度などについての制限を順守しないとした。
バイデン政権となり、核合意復活に向け米・イランの交渉が行われていたが、イランが制裁やイラン革命防衛隊のテロリスト指定の解除を求めたことなどにより、2022年3月以降、事実上停止に。だが、2022年6月には欧州連合(EU)の仲介で、イランと米国が核合意復活に向けて近く協議を再開することで一致したと報じられていた。
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