現在、「サハリン2」の運営は「サハリン・エナジー」が担い、ロシアのガスプロムが50%プラス1株、英シェル27.5%マイナス1株、三井物産が12.5%、三菱商事が10%出資している。
また日本の2021年における天然ガス(LNG)輸入量は7400トンで、その約1割(600ト ン)をロシア産、つまりサハリン2から調達していた。ロシア産を輸入するメリットはコスト面とスピーディーな点にある。サハリン2の取引価格は割安である上に、中東から輸入する場合に比べて調達にかかる日数が格段に短い。
日本の出資企業、ガス会社の対応は?
今回の発表を受け、三井物産は「影響と内容を確認、分析中だ」とコメントし、三菱物産は「政府やパートナーと検討していく」としている。また、日本政府の萩生田光一経産相は、「権益を維持する基本方針に変わりはない」との考えを示した。
また、「サハリン2」から天然ガスを調達する日本のガス会社も今後を見据え、ロシア以外の国からの調達を検討している。調達分の5割を「サハリン2」に依存する広島ガスは、既存契約先のマレーシアやインドネシアからの追加調達を検討。また九州電力なども既存の調達先からのさらなる追加が可能かどうか検討を行っている。電気事業連合会の池辺和弘会長は、「冬の寒波で電力需給ひっ迫の恐れがあるなか、『サハリ ン2』のLNGが急に来なくなれば受け身がとれない。今なら冬まで時間がある。取れる 手を全て打つことが重要だ」と述べている。
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