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雨水が過酸化水素に変化する仕組み 研究で解明

米スタンフォード大学の研究者らが、水の性質の変化を調べるために特別な装置を開発した。研究者らがこの装置の表面に微細な水滴を触れさせたところ、接触帯電が起き、水滴の一部が過酸化水素に変化することが分かった。この研究に関する論文は、学術誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載されている。この現象は、霧や雨粒などの自然環境でも発生し、季節性の感染症が夏には起こりにくく、冬に流行りやすいことを説明できる可能性がある。
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研究者らは2019年、微細な水滴の中で過酸化水素が自発的に生成されることを突き止めた。そこで、研究者らはこの仕組みを解明するため、水を流し込むことができる微細な回路を持つガラス製の装置を開発した。研究者らが水滴をこの装置の表面に接触させたところ、数秒以内に過酸化水素が発生した。
研究者らは、水滴がこの装置の固体表面に接触すると、液体と固体という2つの物質の間で電荷が「ジャンプ」し、不安定な活性酸素(ヒドロキシラジカル)が生成されるとみている。この活性酸素はその後結合し、少量ではあるものの過酸化水素を形成していた。
研究者らによると、このようにして過酸化水素が生成されることは、季節性の感染症が冬に流行りやすい事象を説明できる可能性がある。夏場は室内の相対湿度が高いため、発生した活性酸素がウイルスを殺すのに十分な時間がある一方で、建物内の空気が暖められ、湿度が低下する冬場は、水滴が蒸発するため活性酸素が発生しにくいという。
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この研究を行った同大学のリチャード・ザレ氏は、「この現象は、ウイルス性呼吸器疾患が季節によって流行することを部分的に説明できる科学的根拠を提供するものだ。このアプローチは、環境の中にある水を扱う基礎研究において、重要な実用的意義を与えている」と説明している。
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